満員の特急「太魯閣号」が脱線事故で36人死亡か 台湾東部・花蓮県でトラックに衝突

台湾鉄道管理局(台鉄)北廻線(ベイホイシェン)で2021年4月2日(金)、特急列車とトラックとの衝突事故が発生し、列車の運転士や多くの乗客に死傷者が出ているもようです。

「太魯閣号」に使用される台湾鉄道TEMU1000型電車(伯耆守/PIXTA)
「太魯閣号」に使用される台湾鉄道TEMU1000型電車(伯耆守/PIXTA)

事故があったのは、台湾東部の和仁駅(ホーレン)〜崇徳駅(チョンダ)間にある大清水トンネル(花蓮県)付近です(事故現場の地図は下図を参照)。現地メディア中央通訊社や聯合新聞網の報道によると、樹林駅(シュウリン)発・台東駅(タイドン)行の特急列車「太魯閣(タロコ)号)」第408列車の2両目と3両目がトンネルで脱線し、8両編成のうち後ろ6両の車両はトンネル内に停車しました。一部の車両は壁に衝突して大きく変形しているとのことです。

救助作業はトンネルの両側から順次行われていますが、少なくとも36人が心肺停止状態、72人が病院に搬送され、軽症者20人以上が病院に移送されるのを待っていると報告されています。列車の運転士の死亡が確認されているという報道もあります。4月2日(金)は、台湾のお盆にあたる清明節の4連休の初日で、太魯閣号にはほぼ満員の374人の乗客が乗っていたとのことです。

事故原因は明らかになっていませんが、トンネル入口付近の線路脇の斜面に駐車していた作業用トラックが線路上に滑落し、そこに列車が突っ込んで脱線を引き起こしたとの見方が有力です。